『歴史の予兆を読む』

著者:池上 彰  保阪 正康 出版社:朝日新聞出版 (電子版)

kindle位置№273 “スターリンは革命憲法に基づいて反革命の組織、考え方、言説を成した人をとにかくみんな殺していきます。その残虐さに側近たちも恐れをなして、スターリンの意向を汲んで完全に殺人マシーンになっていった。KGBが密告などをもとに普通の人々を夜中に家から連れ出して銃殺したりシベリアに送ったり、次々と粛清したわけです。その数2000万人と言われています。ヒトラーが虐殺したユダヤ人は600万ほどとされていますから3倍も多いんですね。
 変な言い方になりますが、プーチンは「スターリンに比べれば、俺なんか全くもって甘い指導者だ」と思っているのかもしれません。”(保阪氏)

kindle位置№628 “ロシアのウクライナ侵攻を見るにつけて、これからの21世紀、「新たな帝国主義の時代」が来ようとしているという思いを強くします。それは植民地を締め上げるといったタイプの古い帝国主義ではありません。(中略)つまり、多民族が一緒に暮らせるような広大な帝国を目指さざるを得ないわけです。(中略)今まさに行われているウクライナ戦争は、いくつもの新たな帝国が群雄割拠する21世紀の予兆を感じさせる、いわば歴史の大きな転換点となる動きではないでしょうか。”(池上氏)

歴史の予兆を読む